事務局だより 2012年10月16日(火)
 前回10月の定例講演会では、多民族国家タタルスタン共和国における民族共存の状況を、おもに言語政策(憲法や学校の現場など)に焦点を絞ってお話いただきました。一般に漠然としたイメージでしか語られないタタール人についても、多くを学ばせていただきました。
 
 次回11月の講演会では、本やCDの装丁を専門とする講演者をお迎えして、大きく変貌しつつある書籍文化について語っていただきます。どうぞ奮ってご参加ください。

 12月の講演会は、23日(第3土曜日)に開催を予定しております。詳細につきましては、追ってお知らせいたします。

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 日中は心地よく感じられる秋風も、朝晩には襟を合わせたくなる鋭さを忍ばせるようになってまいりました。季節の移ろいに心遊ばせつつ、お健やかにお過ごしください。

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君が手もまじるなるべし花すすき(去来)

第95回講演会のお知らせ

 
「書物とはなにか ――〈装丁〉と〈書籍電子化〉をめぐって」 桂川 潤 氏 (装丁家)

日付: 2012年11月10日(土)
時間: 16:00 - 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)


講師プロフィール
桂川 潤 [かつらかわ じゅん]
 装丁家。1958年生まれ。立教大学大学院文学研究科修士課程修了。『吉村昭歴史小説集成』(岩波書店)の装丁で第44回(2010年)造本装幀コンクール日本書籍出版協会理事長賞(事典・全集部門)を受賞。「世界でもっとも美しい本」(於:ライプチヒ)等で展示される。 著書に『本は物(モノ)である──装丁という仕事』(新曜社/2010年),共著書に『本は,これから』(池澤夏樹=編/岩波新書/2010年),『人権とキリスト教』(明治学院大学キリスト教研究所=編/教文館/1993年),共訳書に『民衆神学を語る』(安炳茂=著/新教出版社/1992年)。 ウェブサイトは「桂川潤」で検索。こちら → <http://www.asahi-net.or.jp/~pd4j-ktrg/>


講演要旨

 日常、自明のように口にする〈本〉の定義をご存じでしょうか。定評ある『大辞林』をもってすら、〈本〉の定義は曖昧模糊としています。電子書籍時代に至って、もはや〈本〉は印刷されず,表紙や装丁を必要としません。皮肉なことに、書籍電子化を推進する側が〈モノではない「電子書籍」をどう定義するか〉に頭を悩ましています。「国策」の声がかけられても、わが国の書籍電子化はいっこうに進んでいません。ある意味、当然の結果でしょう。いかに優秀な営業マンでも、定義すらできない「商品」を売り込むことはできないのです。
 今回のレクチャーでは、〈装丁〉と〈書籍電子化〉を切り口に、「本とはなにか,書物とはなにか」を皆様と一緒に考えたいと思っています。



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