事務局だより 2012年12月04日(火)
 前回11月の講演会では装丁家としてご活躍されている桂川潤氏から、「ものとしての本」が持つ歴史とその魅力について、さらに基本的には「アクセス権」を購入するだけの電子書籍が孕むさまざまな問題点について、たいへん刺激的なお話をうかがいました。文化の容器や形態を見る視野が広がる思いでした。

 次回12月の講演会では、日本でも近年、欧州の観光地として注目を浴びるクロアチアに、いまだ残る前世紀90年代の内戦の爪痕である難民収容所をめぐってお話をしていただきます。どうぞ奮ってご参加ください。
 
 次回11月の講演会では、本やCDの装丁を専門とする講演者をお迎えして、大きく変貌しつつある書籍文化について語っていただきます。どうぞ奮ってご参加ください。

 2013年月の講演会は、12日(第2土曜日)に開催を予定しております。詳細につきましては、追ってお知らせいたします。

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 今年は夏から一足飛びに冬が訪れてしまいました。寒さについ胸をすぼめ、肩も怒りがちですが、澄んだ冷気に胸を張って街を歩むのも、時に気持ちがいいものです。

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炭つげばまことひととせながれゐし(長谷川素)

第96回講演会のお知らせ

 
「クロアチアにおける日本難民センターの歴史と現状(1994~2012年)」 中島 崇文 氏 (学習院女子大学)

日付: 2012年12月22日(土)
時間: 16:00 - 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)


講師プロフィール
中島 崇文 [なかじま たかふみ]
 長野県飯田市生まれ。筑波大学第二学群比較文化学類卒業。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了、博士(学術)。学習院女子大学国際文化交流学部国際コミュニケーション学科准教授。「ルーマニア人の民族意識におけるローマ概念―「ローマと合同した教会」の地位の変遷を中心に―」歴史学研究会『幻影のローマ―<伝統>の継承とイメージの変容―』(シリーズ歴史学の現在11)(青木書店、2006年)、「冷戦終結以降、次第に強まる東欧と日本との絆―日本からのODAと東欧の人々の反応―」(第11章)学習院女子大学編『東日本大震災 復興を期して―知の交響―』(東京書籍、2012年)等を執筆。


講演要旨

 ユーゴスラヴィアから独立して21年目を迎えたクロアチアは多くの観光資源に恵まれ、近年、急速に発展し、来年にはEUに加盟する予定となっている。しかしながら1990年代の内戦の傷跡は今もなお残っている。その一つとして挙げられるのが難民の存在である。国際社会は難民支援に乗り出したが、1990年代半ばに日本政府もODAの一環として難民センターを建設している。多数の仮設住宅から成る
同センターは今もなお存続しているが、現在ではクロアチアにおける唯一の難民収容施設となっている。
 日本ではほとんど知られていないこの難民センターの設立の経緯、そこに住む難民の人たちの様子などを現地で撮った写真と共に紹介したい。



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