事務局だより 2014年06月27日(金)
前回6月の講演会では、緊張の続くウクライナ情勢を受けて、3人の講演者から、まずウクライナ全域の、さらにクリミア半島の政治的支配権の変遷について、歴史地図や国際条約にもとづいて示していただきました。「ウクライナ問題」そのものの歴史性について考える契機となりました。
7月の講演会では、インド史がご専門の講演者から、インドの牡牛保護の歴史的経緯を足がかりに、現代の捕鯨反対運動や一般的動物愛護運動との類似と異同についてお話しいただきます。
どうぞ奮ってご参加ください。
8月は事務局の海外出張等のため講演会はお休みをいただき、次回は9月6日(土)の開催となります。詳細は追ってお知らせいたします。
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梅雨さなか、照れ降れいずれにしても、過ごし難さが払拭できません。でも、ふと晴れ間の覗いた長い夕暮れ時などに、この時期にしかないような静かな安らぎを大気中に感じることがあります。炎暑の季節が訪れるまえ、つかの間でも、皆さまがよい空気につつまれますように。
――――夕暮れの明るさ残し夏至の雨(今村映水)
第110回講演会のお知らせ
「牝牛保護・不殺生(アヒンサー)・動物保護――牝牛と鯨をめぐる騒動」
小谷 汪之 氏 (東京都立大学名誉教授)
日付: 2014年07月05日(土)
時間: 16:00 - 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)
講師プロフィール:
1942年生。東京大学大学院人文科学研究科東洋史専攻博士課程中退。
東京都立大学名誉教授。著書に、『ラーム神話と牝牛 ヒンドゥー復古主義とイスラム』平凡社(1993)、『不可触民とカースト制度の歴史』明石書店(1996)、『穢れと規範
賤民差別の歴史的文脈』明石書店(1999)、『罪の文化インド史の底流』東京大学出版会(2005)、『インド社会・文化史論―「伝統」社会から植民地的近代へ』明石書店(2010)、『「大東亜戦争」期 出版異聞 『印度資源論』の謎を追って』岩波書店(2013)などがある。
講演要旨:
インドでは19世紀末、インド(ヒンドゥー)・ナショナリズムの勃興とともに、牝牛保護の問題が政治問題となって、今日まで及んでいる。一方、日本の南極海調査捕鯨は、シーシェパードなどの反捕鯨団体による非暴力的、暴力的抗議運動により、大きな国際問題となり、本年、国際司法裁判所で違法とされた。他方、動物保護(動物虐待防止)の法制度は19世紀前半のイギリスに始まり、フランス、ドイツへと広がって、20世紀になると、世界中のほとんどすべての国々で何らかの形の動物保護法が制定されるに至った。それでは、牝牛保護とか鯨保護といった思想や運動と、動物保護一般の思想や運動では、何が共通し、何が異なるのであろうか。そして、それらと不殺生という普遍的「倫理」とはどのような関係にあるのか、ここで考えてみたいのは、こういった問題である。
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